Max新京成電鉄 電車基地見学・展示会報告

第7回 2000年(平成12年)10月22日(日)


 当日は薄曇りで、暑くも寒くもなく、ちょうどよい気候でした。

 それでは展示物ですが、順路通りに紹介してゆくと、まず「パンタグラフと架線の構造」がありました。ここでは目の高さに数メールくらい架線が張ってあり、ボタン操作によって上げ下げできるようになっていました。「踏切遮断器と警報器・特殊信号発光器・三現示信号機・高速度遮断器他」でも、ボタン押すことで遮断器を閉める動作や、警報機を作動させることができました。私にはイマイチよくわかりませんでしたが、ほかにも電気関係の部品がいくつか並んでいました。電気関連の部品を中心としたVTRの放映もあり、視覚的にわかりやすい展示となっていました。

 「大パノラマ鉄道Nゲージ模型運転会」のコーナーは、4.5×3.0メートルという模型のレイアウトが展開されており、また模型の運転が、本物の800形や8800形の運転台で運転できるとあって、子どもさんが順番に並んで、模型の運転を楽しそうに行っていました。そのとなりの売店・休憩所では、鉄道グッズ、食べ物などが売られていました。

 「一体圧延車輪と防音リング付車輪」の場所では、8900形などに使用されている車輪が展示されていました。ハンマーが貸し出されていて、その防音度を確かめることもできました。かつて、京成から譲渡され新京成で活躍した、100形の台車「ST17A台車」も展示されていました。さらに、新京成が全通する前、線路敷設工事の際に使われ、全通後はずっと放っておかれていたトロッコの復元されたもの「97式貨車」も展示されていました。展示場所が工場であるため、ヘルメットを借りてそれらを下から見ることもできました。

 普段トラバーサーのある一番奥のスペースは「子供広場」となりました。そこは「チビッコ鉄道クイズ会場」にもなり、子どもさんたちが楽しそうに遊んでいました。またその近くの工場内広場では、沿線の中学生による「吹奏楽演奏会」が行われました。こども向けの歌や、ヒット曲を中心に演奏されていて、いろいろな人が楽しめるものとなっていました。

 「駅スッケチ画」のコーナーでは、沿線の画家の方が描かれた新京成全駅のスケッチ画が展示されていました。薬園台駅に関しては、旧駅・新駅両方が展示されていました。その反対側のスペースでは、「HO模型の走行と展示」が行われていました。どなたかが製作されたのか、8800形の模型(7両編成でしたが・・・。)が2編成走っていたほか、京成3600形6両も展示されていました。「車輪転削盤」では、今年は車輪のみが置かれていて、時間を決めて転削していました。

 「パソコンによる電車運転体験とホームページの紹介」のコーナーでは、鉄道シミュレーターが自由にできるようになっていたほか、ホームページを見ることができました。その後ろには、新京成広報誌「CiaO」のバックナンバー展示が行われていました。バックナンバーで、在庫のあるものは配布されていました。「電車の戸閉機(操作体験)」では、実物大の扉部分が設置されており、車掌になった気分で、戸閉、再開閉を体験することができました。

 「8900形車両展示と記念撮影」

のところでは、8900形(8921〜8924)の車内が休憩場所となっていました。また、先頭車の部分では運転室に入れてくれ、記念撮影もできるようになっていました。その横では、「アートトレインの展示」

が行われていました。これは、8800形(8889〜8896)を利用したもので、車体の側面に1車両あたり6枚または8枚の、特殊フィルムに印刷された絵画が貼られているものです。このアートトレイン2000は、2001年6月まで走る予定だそうです。

 深夜本線上を移動して保線の作業を行う、「モーターカーの体験乗車」も行われていました。その眺めは、電車のものとは違った感覚だったようです。

 今回も「車両部品展示&販売」のコーナーがありました。展示は方向幕表示器やマスコンで、マスコンは自由にさわれるようになっていました。販売品には、新京成の車紋入りオリジナルキーホルダーをはじめ、シール、車内部品などがありました。特に目立ったのが、一世代前の路線図(車内のドア上にある紙製のもの)で、これを持って歩かれている親子連れがずいぶん見られました。サイズが大きいので結構目立ちました。最近の定期検査ではずしている、プラスチック製のつり革押さえは無料でした。

 「鉄道グッズ販売」では、秩父鉄道と都市基盤整備公団がブースを設けていました。秩父鉄道では、よく駅にあるような切符販売窓口のガラス枠を持ち込んでいて、パンフレットの配布や、記念切符をはじめ秩父の特産品(漬け物など)まで販売していました。都市基盤整備公団は、実際に車両に付いていた住宅都市整備公団時代のマークを販売していました。また、「レールの変遷・軌道の構造・信号」の展示もされていました。実物を目の前で見ることができたので、なかなか貴重でした。

 やはり人気だったのが、「807号運転台(シミュレーション)」でした。モハ807号運転台は、廃車された800形の先頭車、807の運転台部分を切断して、さらにモーターを接続して、運転体験をしてもらおうというものでした。今回も、運転状況に応じて、前面のプロジェクターにより京成の車窓が映しだされていて、800形があたかも京成に乗り入れているような感覚を楽しむことができたようです。

 出入り口近く屋外では、「SKカード販売」がありました。パスネット導入記念カードを始め、在庫のあるものについて、過去のSKカードも販売されていました。また今回は、23年前から7年前にかけて発売され、もう既に有効期限切れとなった紙製の記念乗車券10種も、100円で売られていました。見学記念のスタンプを押すコーナーもありました。

 最後に、「新形式バスの体験乗車」で、新京成では2台目にあたるノンステップバスが展示されていました。このバスは、松戸営業所のいすゞ車、I−796でした。車内が開放されていて、運転席に座れたり、車高を低くできたりしました。また、「バス部品展示&販売」も行われ、バス共通カードをはじめ、鎌ヶ谷営業所の方向幕や案内テープ、広告枠、ハンドルなど部品も販売されていました。