それでは展示物ですが順番に紹介いたしますと、まず工場内入口近くに「パンタグラフと架線の構造」がありました。ここでは目の高さ数メールくらいに架線が張られ構造が再現されており、その下に設置されたパンタグラフ(8900形用のシングルアーム型)がボタン操作によって上げ下げできるようになっていました。
いったん外に出ると「小型ノンステップバス公開展示」
が行われていました。このバスは、鎌ヶ谷営業所のマルチライダー、S−108でした。車内は開放されていましたが、路線バスほど広くはなく出入口も1か所しかないので、中に入る人はあまりいませんでした。また、バス共通カードやバスの部品も販売されていました。廃車が多かったのか、鎌ヶ谷営業所関係の部品が多かったような気がします。
工場出入口近くでは「パスネット・グッズ等販売」がありました。在庫のあるものについて過去のSKカードやグッズが販売されていました。また、もう既に有効期限切れとなった紙製の記念乗車券も売られていました。見学記念のスタンプを押すコーナーもありました。
再び工場に入って、パンタグラフと架線の構造の反対側では「807号運転台(シミュレーション)」が置かれていました。これは廃車された800形の先頭車807の運転台部分を切断して、さらにモーターを接続して運転体験をしてもらおうというものでした。運転状況に応じて、前面のプロジェクターにより京成の車窓が映しだされていました。今年は、運転台前面はスクリーンで囲まれてしまったので見えませんでした。また、整理券を配布する形式になり、毎年見られた長い列も姿を消しました。
その隣では「レールの変遷・軌道の構造・信号」の展示もされていました。実物をすぐ近くで見ることができ、また実際さわることができるものもあり、なかなか貴重でした。
「踏切遮断器と警報器・特殊信号発光機・三現示信号機・高速度遮断器他」でも、ボタン押すことで遮断器を閉める動作や、警報機を作動させることができました。ほかにも電気関係の部品がいくつか並んでいました。電気関連の部品を中心としたVTRの放映もあり、視覚的にわかりやすい展示となっていました。
「鉄道グッズ等販売」では、今年は新京成をはじめ、北総開発・秩父鉄道・銚子電鉄がブースを設けていました。
新京成のブースでは、方向幕表示器やマスコンなど鉄道部品が展示されており、一部は自由にさわれるようになっていました。販売品には、新京成の車紋入りオリジナルキーホルダーや、シールなどの車内部品がありました。また、方向幕の行き先を選択する指令器に組み込まれている、駅名の書かれた円盤を利用した時計や、検査標記もありました。一世代前の路線図(車内のドア上にある紙製のもの)もあり、サイズが大きいので結構目立ちました。
北総開発は、パスネットやグッズ類、秩父鉄道は、パンフレットの配布や記念切符をはじめ、秩父の特産品も販売していました。銚子電気鉄道も同様でした。
「大パノラマ鉄道Nゲージ模型運転会」のコーナーは、4.5×3.0メートルという模型のレイアウトが展開されており、また模型の運転が、本物の800形や8800形の運転台で運転できるとあって、子どもさんが順番に並んで、模型の運転を楽しそうに行っていました。
そのとなりの休憩所では「下総興業(SK SHOPをやっている会社)売店」があり、鉄道グッズをはじめ、飲みもの、食べもの、お菓子などが販売されていました。お昼どきを中心ににぎわっていました。
「一体圧車輪と防音リング付車輪」の場所では、8900形などに採用されている車輪が展示されていました。ハンマーが貸し出されていて、その防音度を確かめることもできました。
かつて、新京成が松戸まで全通する前に線路敷設工事の際に使われ、全通後はずっと放っておかれていたトロッコが復元されたもの「97式貨車」が展示されていました。さらに、京成から譲渡され新京成でも活躍した100形の台車「ST17A台車」も展示されていました。展示場所が工場であるため、ヘルメットを借りてそれらの下をくぐり、ピットからも見ることもできました。
「電車パネル写真展」のコーナーでは、電車の写真が展示されていました。その反対側のスペースでは、「HOゲージ模型の走行と展示」が行われていました。8900形(8両)・8800形(8両)・8000形(6両)のHOゲージ模型が、行き違い構造のある直線レイアウトを往復していました。
検修場内広場では、沿線の中学生による「吹奏楽演奏会」が行われました。こども向けの歌や最近のヒット曲を中心に演奏されていて、いろいろな人が楽しめるものとなっていました。
奥の屋根のないスペースは「子供広場」となりました。天候があまりよくなかったので、例年に比べてここに並ぶ列は少なかったような気がします。また、そこは「チビッコ鉄道クイズ会場」にもなり、子どもさんたちが楽しそうに遊んでいました。
さらに奥の車体工場では、「ミニ電車の運転(Oゲージ模型の走行と展示)」が行われました。ミニ電車は8900形をデザインしたもので、運転席に新京成のマスコット「しんちゃん」を座らせるなど凝った造りになっていました。ここが一番人気で、車体工場につながる車体トラバーサー上に長い列ができました。ちなみに、ミニ電車の運転は車体工場内の4両分のスペースを使って行われ、残りのスペースにはおそらく全般検査・バリアフリー改造入場中の8800形8845〜8848が置かれていました。
「車輪転削盤(輪軸にて実演)」では、今年も車輪のみが置かれていて、電車の乗り心地がよくなるよう、車輪の表面が平らになるよう転削していました。
「パソコンによる電車運転体験とホームページの紹介」のコーナーでは、パソコンが何台か用意され鉄道シミュレーターが自由にできるようになっていたほか、新京成のホームページを見ることができました。そのとなり、「電車の戸閉機(操作体験)」では、実物大の扉部分が設置されており、車掌になった気分で、戸閉、再開閉を体験することができました。
留置線のある屋外に出ますと、「8900形ラッピング車両展示と記念撮影」
がありました。車体広告電車となった8900形8931〜8938編成の内、前4両が展示され、車内が休憩場所となっていました。また、先頭車の部分では運転室に入れてくれ、記念撮影もできるようになっていました。留置線側の屋外は、立ち入りできるエリアが例年より狭められていました。
その横では、「アートトレインの展示 8800形」が行われていました。これは、8800形8809〜8816を利用したもので、車体の側面に1車両あたり8枚(片面4枚、扉間2枚)、沿線の高校生が描いた絵画を特殊フィルムに印刷し、貼り付けています。2003年9月ごろまで運行される予定です。
深夜本線上を移動して保線の作業を行う「モーターカーの体験乗車」も行われていました。今年は約40mを1往復走らせていました。時間帯によっては列ができていました。