Max新京成電鉄 電車基地見学・展示会報告

第10回 2003年(平成15年)10月25日(土)


 今回はチラシに「会場混雑の際、安全確保のため入場制限を行う場合があります。」と書かれていましたが、開催が従来の日曜日から土曜日になったということもあり、前回に比べると来場者は少なく見え入場制限もなかったように思います。

 それでは展示物ですが順番に紹介いたしますと、まず受付があり、その近くで小型バス公開展示

が行われていました。このバスは船橋新京成バスの三菱製小型バスS−122で、鎌ヶ谷グリーンハイツ循環線を主に運行されています。車内は開放され、運転席も順番に座れるようになっていました。また、近くではバスカード・他販売もされていました。広告の枠など廃車発生による部品もいくつか販売されていました。

 工場の建物入口近くではパスネット・鉄道グッズ等販売がありました。在庫のあるものについて過去のSKカードや、チョロQ・腕時計などのグッズも販売されていました。また、もう既に有効期限切れとなった紙製の記念乗車券も売られていました。見学記念のスタンプを押すコーナーもありました。

 建物の中に入ると、まずパンタグラフと架線の構造がありました。ここでは、柱と柱の間数メールくらい架線が張られ、その下にパンタグラフ(8900形用のシングルアーム型)が置かれていました。そのパンタグラフは直にさわって上げ下げできるようになっており、またロックの構造も見てわかるようになっていました。

 その反対側では807号運転台(シミュレーション)が設置されていました。これは廃車された800形の先頭車807の運転台部分を切断してモーター単体と接続し、マスコン・ブレーキ動作とモーターを連動させることによって運転体験をするというものでした。運転状況に応じて、前面のプロジェクターに京成線の車窓(京成青砥→市川真間)が映しだされていました。すれ違う電車がファイヤーオレンジ色の電車も見られ、時代が感じられました。運転台前面はスクリーンで囲まれてしまったのでよくは見えませんでした。

 レールの変遷・軌道の構造・信号の展示もされていました。実物をすぐ近くで見ることができ、また実際さわることができるものもあり、なかなか貴重でした。

 踏切遮断器と警報器・特殊信号発光機・三現示信号機・高速度遮断器他では、ボタンを押すことで遮断器を閉める動作や、警報機を作動させることができました。ほかにも電気関係の部品がいくつか並んでいました。電気関連の部品を中心としたVTRの放映もあり、視覚的にわかりやすい展示となっていました。

 鉄道グッズ等販売では、新京成・北総開発・秩父鉄道・銚子電鉄がブースを設けていました。北総開発はパスネットやマグカップなどのグッズ類、秩父鉄道はパンフレットの配布や記念切符類をはじめ秩父の特産品も販売していました。銚子電気鉄道も同様でした。

 新京成のブースでは、方向幕表示器やマスコンなど鉄道部品が展示されており、一部は自由にさわれるようになっていました。販売品には、新京成の車紋入りオリジナルキーホルダーや、旧シルバーシートのシールなどの車内部品、検査標記までありました。数世代前の路線図(車内のドア上にある紙製のもの)も冒頭では販売されており、今回は年代物も売られていました。

 大パノラマ鉄道Nゲージ模型運転会のコーナーは、4.5×3.0メートルという模型のレイアウトが展開されており、また模型の運転が本物の8000形や8800形の運転装置で運転できるとあって、子どもさんが順番に並んで、模型の運転を楽しそうに行っていました。

 そのとなりの休憩所では、鉄道模型館で販売されている鉄道関係のビデオをはじめとしたグッズの販売や、下総興業(SK SHOPをやっている会社)売店では、飲みもの、食べもの、お菓子などが並べられており、お昼どきを中心ににぎわっていました。

 一体圧車輪と防音リング付車輪の場所では、8900形などに採用されている車輪が展示されていました。その隣では、かつて新京成が松戸まで全通する前に線路敷設工事の際に使われ、全通後はずっと放っておかれてしまったトロッコを復元したもの97式貨車が展示されていました。さらに、京成から譲渡され新京成でも活躍した100形の台車ST17A台車も展示されていました。展示場所が工場であるため、ヘルメットを借りてそれらの下をくぐり、ピットからも見ることもできました。

 HOゲージ模型の走行のコーナーでは、8900形・8800形のHOゲージ模型が、行き違い構造のある直線レイアウトを往復していました。検修場内広場では、沿線の中学生による吹奏楽演奏会が行われました。こども向けの歌や最近のヒット曲を中心に午前午後の2回演奏され(1回目 11:00〜11:30/2回目 13:00〜13:30 )、いろいろな人が楽しめるものとなっていました。

 検修場と車体工場の間の屋根のないスペースは子供広場となりました。また、その近くの屋内はチビッコ鉄道クイズ会場になり、子どもさんたちが楽しそうに参加していました。これも2回行われました(1回目 10:30〜11:00/2回目 15:00〜15:30 )。

 さらに奥の車体工場では、ミニ電車の乗車運行が行われました。ミニ電車は8900形をデザインしたOゲージ模型で、運転席に新京成のマスコットしんちゃんを座らせるなど凝った造りになっていました。やはりここが人気で、検修場と車体工場をつなぐ車体トラバーサー上に長い列ができました。ちなみに、ミニ電車の運転は車体工場内の4両分のスペースを使って行われ、残りのスペースにはおそらく全般検査・バリアフリー改造入場中の8800形8869〜8872が置かれていました。

 車輪転削盤(輪軸にて実演)では、今年も車輪のみが置かれていて、電車の乗り心地がよくなるよう、車輪の表面が平らになるよう転削していました。午前午後の2回行われました(1回目 11:30/2回目 14:30 )。

 パソコンによる電車運転体験のコーナーでは、パソコンが何台か用意され鉄道シミュレーターが自由にできるようになっていました。そのとなり、電車の戸閉機(操作体験)では、実物大の扉部分が設置されており、車掌になった気分で、戸閉、再開閉を体験することができました。

 留置線のある屋外に出ますと、車両展示と運転台にて制帽着用による記念撮影

がありました。全般検査から出場したての8900形8921〜8928編成の内、前4両8921〜8924が展示・開放され、車内が休憩場所となっていました。また、先頭車の部分では運転室に入れてくれ、記念撮影もできるようになっていました。今年は例年の屋内の出入口のほかに屋外にも出口を設け、混雑解消を図っていました。今回はなぜか行先表示が終日「高根公団」となったままでした。

 その横では、アートトレインの展示が行われていました。これは、8800形8817〜8824を利用したもので、車体の側面に1車両あたり8枚(片面4枚、扉間2枚)、沿線の高校生が描いた絵画を特殊フィルムに印刷し、貼り付けています。2004年5月ごろまで運行される予定です。

 深夜本線上を移動して保線の作業を行うモーターカーの体験乗車も行われていました。今年も約40mを1往復走らせていました。結構人気がありよく列ができていました。